2008年9月28日日曜日

20080927

■『トウキョウソナタ』(黒沢清、2008)
キョンキョンが圧倒的に素晴らしい。黒沢監督も語っていたように、本作の真の主役は彼女なのではないか。とくに長男を送り出すシーンあたりからの彼女の演技にはただただ泣かされた。
雨と風、星と海、そして太陽。あるいは公園にいる夫、旅立つ長男、部屋でピアノの練習をする次男、彼らの国境。彼女は世界を見逃すことなく目撃しつづけ、抗うことも妨げることもなくそれらを一身で受け止め、そして静かに寄り添う。つまりこれは、世界への明晰なふるまいについての映画だ。傑作。

0 件のコメント:

コメントを投稿