2009年7月8日水曜日

20090603


映画の授業 Leçon de Cinéma 現代映画篇
■『INAZUMA 稲妻』(西山洋市、2005)
■『死なば諸共』(西山洋市、2006)

■『吸血鬼ハンターの逆襲』(西山洋市、2008)
『吸血鬼ハンターの逆襲』に痺れまくる。映画がこんなにも面白くていいのだろうかというくらい何もかもが面白い。ドライヤーの『吸血鬼』を、ムルナウの『ノスフェラトゥ』を纏いながら、広げた大風呂敷を矮小化することなくキチンを纏め上げる抜群の手腕にはもう唸るしかない。そして自立的に要請された正義が、やがて狂気に絡め取られて自走してゆく…。ああもう最高だ。しかし後日、『INAZUMA 稲妻』の面白さが分かっていないと大工原さんに生徒みんながダメだなあと呆れられる。曰く、あんなに見ている間中鳥肌が立ちっぱなしだった映画なんてここ何年もなかったと。女優と傷、復讐、とすべてのモティーフがツボだし、それらを十全に演出し、見せきることができる高い技術も西山監督自身には備わっている、等々。『INAZUMA 稲妻』が何かの偶然で誰にでも撮られてしまうような種類の映画からはもっとも遠く離れた存在であることくらいは僕にでも分かる。つまらなかったわけでも決してない。しかし、鳥肌が立つような、心の底から動揺させられ瑕を付けられるような感動を覚えたかというと……。ええ、精進しますとも。

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